人間ドックの検査表の見方
人間ドックを受けて検査結果が返ってくると、その数値を見て喜ぶ人やびっくりする人、不安になる人などその反応は様々です。
Aさんは、白血球の数値が1万500と高くて「どうしよう。白血病かな」と心配しています。またBさんは、「おれはカリウムが5.3と高いけど、基準値よりもわずか0.3高いだけだから大したことないだろう」と楽観視しています。
人間ドッグの検査結果について
人間ドックの検査値は、どのように見れば良いのでしょうか。
白血病かなと心配しているAさんですが、白血球の基準値は医療機関や検査機関によって多少違いますが、3500~9700/μLくらいになっている所が多いでしょう。
白血球のように基準値の幅が大きい場合は、10や100くらいオーバーしたとしてもそれほど心配はないことが大半です。また白血球は風邪をひいただけでも増えます。
白血病の場合は0の数が2つも3つも多くなることが多く、5万とか10万とか100万や500万にもなりますので、1万500くらいなら風邪をひいていた可能性が高いです。
しかし、再検査や精密検査の指示が出ていたのであれば、指示に従いましょう。
カリウムの値が高いけど大丈夫だろう、と考えているBさんですが、これは楽観視しないできちんと再検査を受けましょう。カリウムの基準値は3.5~5.0mEg/Lと幅が狭いため、1.0も上下すると言うのは、大きな変化です。
変化を見るという事が重要
人間ドックの検査表を見る時は高すぎますや低すぎますのマークだけではなく、基準値の幅が広いか狭いかも同時に見るようにしましょう。
基準値の幅が狭いものほど、少しの変化が大きく影響します。
人間ドックの検査表に記載されている基準値と言うのは、健康な人を集めて上下の2.5%ずつをカットした数値です。
つまり健康な人の95%の人が該当する数値だと考えてください。
大切なのは、以前の人間ドックの結果と比べて検査表の数値がどのように変化しているかということです。
身長が150cmの成人男性は、健康な人の95%には入りません。しかしこの人がもし、1年間で20cmも身長が伸びて170cmになったら、基準値内に入ったと喜ぶことはできないでしょう。成人男性の身長が1年に10cmも 20cmも変化するのはおかしい、と考えるのが一般的です。
これと同様に人間ドックの検査表の数値も、今まではずっと最低下限ギリギリだったのが最高上限ギリギリに変化していたら、たとえ基準値内であっても要注意のケースや発症する前の現象かもしれません。
結果を見て考え動く事
人間ドックは受けることに意義があるのではなく、その後の行動が大切です。
再検査や精密検査を指示されたらきちんと受けること、検査に異常が出て生活改善の指導を受けたら3日坊主にならない様にすることが大切です。
人間ドックを生活改善に役立てて、より一層健康な毎日を送ることこそ、大きな意味を持ちます。