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人間ドックの「胸部X線」でわかる病気

「どこかに重大な病気があるのでは・・・」と心配している人がまず考えるのが人間ドックの受診ですよね。人間ドックはさまざまな検査を実施しますが、基本的な検査項目のひとつが胸部x線検査です。

人間ドックのプログラムにはオプション項目もあり、その取捨選択で費用も増減しますが、胸部x線検査は基本項目に含まれます。

 

胸部x線検査とは?

この検査では胸部に背後からx線を照射し、主に肺など胸部に位置する臓器の変異を写し出し、それを医師がチェックすることで病気の有無を確認します。検査を受ける人は機械の前に立ち、正面と横の2方向から撮影されます。

画像を写し出すフィルムを胸の前に配置し、背部からx線を照射します。
その際、肺を膨らませ、体のぶれを防ぐため、大きく深呼吸した状態で呼吸を止め、静止することが指示されます。

なお放射線の被曝量はとても低いので(0.06mSv程度)、健康への悪影響〈発ガン等)は心配する必要ありません。

ただし妊娠中の女性の場合、胎児への影響を考慮しなければいけませんので、担当医師と相談してください。

判別できる病気

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現像された画像には、肺およびその周辺部臓器に異常がある場合、その状態が白黒の陰影によって写りこみます(健康な組織の場合は黒っぽく写ります)。

たとえば肺がんや肺結核など、肺の組織に病変が生じている場合、その箇所が白くもやのように写ります。前からの画像ではろっ骨と重なり病変の状態を確認できない場合があるため、横からの画像も必ず確認します。

たとえば心不全、腎不全、胸膜炎などの場合に見られる胸水の有無は、横からの画像を見ることではっきり確認することができます。

このように胸部x線検査で判別するのは主に肺の病気ですが、人間ドックは重大な病気を見逃さないことが目的ですので、肺の病気以外の重大な病気の確認も検査画像によって行われます。

たとえば胸部に位置する血管に動脈硬化がある場合は、石灰化が起きている場合が多く、これはX線検査によって確認することができます。動脈瘤では血管に出来た瘤(こぶ)の画像が確認できます。

心不全のように心臓のポンプ機能に衰えがあると心臓全体が肥大化しますが、その様子もこの検査によって確認できます。

検査によって異常の疑いがあったとき

x線検査によって判明した異常は、その疑いの大小如何によっては追加の検査が行われ、より明確な診断をします。

たとえば肺に腫瘍を疑わせる白いもやが認められた場合、それが肺がんか、結核か、あるいは肺炎などのより軽症の疾患にとどまるのか、その確定診断を胸部CT検査や血液検査(腫瘍マーカー)、気管支内視鏡検査などによって行います。

以上のように、胸部x線検査は肺にとどまらず血管や心臓など人間の生命維持にとって重要な機能を持つ臓器の病気をはっきり写し出すものであり、人間ドックの現場では欠かせない検査方法です。

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