人間ドックについて多い疑問とは
人間ドックを初めて受ける人はもちろん、経験者でも「あれはどうしたらいいんだろう?」といった疑問はつきものですよね。
そこで、人間ドックのよくある疑問に幾つかお答えしたいと思います。
絶飲食なら、持病のお薬も飲んではダメ?
人間ドックは絶飲食が基本
「水が飲めないから朝のお薬も飲めない」と思っておられる方が多いですが、お薬の種類によってはむしろきちんと飲んでおかないと、かえって健診に支障が出る場合があります。
例えば血圧のお薬は、朝のお薬を飲まずに健診に行くと、血圧が高くなりすぎて一部の検査ができない場合があるのです。
具体的には、検査中に体が大きく傾く「胃透視」、えづくことがある「胃カメラ」、全力で息をはく「肺機能検査」、乳房の圧迫で痛みを伴う「マンモグラフィー」などです。
これらはいずれも血圧が上昇しやすい検査であり、最初から血圧が高いと気分が悪くなったり脳出血を起こすおそれがあるとして、ドクターストップがかかる場合があるのです。
持病のある方が人間ドックを受ける際は、あらかじめ主治医の先生に、健診当日の朝のお薬をどうしたら良いか相談してください。
主治医から飲むよう言われた場合は、朝起きたらすぐに少量の水(ひと口かふた口)で飲むようにしましょう。
健診の際は「主治医の指示で、今朝は薬だけ飲んできました」と言えば、断られることはまずないはずです。
生理と重なっても受けて大丈夫?
女性がよく感じる疑問ですよね。
ほとんどの検査は受けて大丈夫ですが、一部、延期または中止した方が良い検査があります。
それは「検尿(尿潜血)」「便潜血検査」、そして子宮がん検診(子宮頸がん検診)。
検尿と便潜血検査は生理中に受けると潜血反応が出てしまうことが多いですし、子宮がん検診は生理中に受けると必要な細胞が十分に採取できず、悪い細胞が見逃されてしまう時があります。
問診票に生理中かどうかの質問がありますので、恥ずかしがらずに正しく答えてください。
なお、「延期」か「中止」かについては、人間ドックの主催元(会社や健保組合など)との契約内容によって対応が異なります。
健診施設は契約内容を知っていますので、施設のスタッフへ相談して指示に従ってください。
腫瘍マーカー検査って受けた方がいいの?
血液検査で済むという手軽さもあって、「がんを早期発見したい」という想いでこの検査を希望する方が増えていますが、実は早期がんのほとんどはこの検査では分からないのです。
腫瘍マーカーは特定のがんが産生する物質を調べる検査ですが、早期がんではこの物質もまだ少ないため引っかからないことが多いのです。
早期で発見できる可能性が比較的高いのは、前立腺がんのPSA検査ぐらいといっても良いでしょう。
人間ドックは健康保険が利かずどの検査も費用がかかりますので、どうせなら病気を発見できる可能性の高い検査を、賢く選ぶようにしたいものですよね。