妊娠中に人間ドックは受けれるのか?
生活習慣病だけではなく、早期のがんも発見できるのが人間ドックのメリットです。
しかし、妊娠中はお腹の中の赤ちゃんのことも考えて、検査は控えたほうが良いとされています。
妊娠中は避けるのがベター
人間ドックはそもそも、自分で受けるタイミングと検査項目を選べる検査です。
法定健診のように年に1回必ず受けなければならないわけではなく、受けるか受けないかは自由に決めることができます。
職場で半ば義務的に人間ドックを課しているところもありますが、そうでない場合は基本的には自分で受けるタイミングを決めることができます。
なので、もし妊娠中だとわかっているのであれば、その期間中は検査を受けるのは避けたほうが良いでしょう。
特に避けたいレントゲン検査
身体測定や血圧測定などの健康診断程度の検査であれば、胎児に影響を与える心配はありません。
ただし、胸部レントゲン検査、上部消化管造影検査(バリウムを飲んで撮影)や、胸部・腹部CT検査、などは放射線被曝を伴います。
妊娠期間中、胎児がもっとも影響を受けやすいのは妊娠4〜8週目です。
この時期にはこれらの放射線被曝を伴う検査は避けるべき、というのが一般的な見解です。
もし気づかずに受けてしまったら?
では、人間ドックを受けた後に妊娠が発覚したという場合にはどうすれば良いでしょうか。
これに対しては、それほど心配する必要はないと言えます。
確かに放射線被曝を伴う検査は胎児への影響が考えられますが、検査によって胎児に及ぶ被曝量はわずかなので、「避けたい検査を全て受けてしまった」という場合でもない限り、それほど不安に思う必要はありません。
被曝を伴う検査をひとつ受けたからといって、すぐに胎児に影響が出るわけではありません。
血圧検査、心電図、聴力、身体検査は胎児に対して全く問題ありません。
また、MRI(核磁気共鳴画像法)はCTに似ていますが、磁気が胎児に悪影響を及ぼすという報告は今の所ないので、こちらも受けてしまっても問題ないと言えます。
基本的にはレントゲンをはじめとして、妊娠中の人間ドック受診は避けたほうが良いです。
しかし、もし妊娠に気づかずに受けてしまっても、取り返しがつかないことをしてしまったというわけではありません。
ただし、妊娠中は情緒不安定になって何かと心配になるものですから、いたずらに不安な検査結果を受けて混乱しないほうが良いでしょう。
基本的には受けられない、受けないほうが良いというのが結論です。