人間ドックでがんは発見できるのか?
日本人の死亡原因でもっとも多いのが、がんです。
男女とも一番の死亡原因になっており、一生のなかで男性は2人に1人、女性は3人に1人が罹ると言われています。
がんは早期発見、早期治療がもっとも重要と言われています。
ここでは、人間ドックでがんが発見できるのかどうかを見ていきます。
検査項目が豊富なのが人間ドックの特徴
職場や自治体で受けられる法定健診と違い、人間ドックは必ず受けなければならないわけではありません。
受けるかどうかは個人の自由で、受けるためには自分で検査項目を決めて、予約をとって受ける必要があります。
人間ドックで調べられるのは、ありとあらゆる項目です。
見つけられる病気の種類も多く、肺、食道、胃、胆のう、胆管、肝臓、腎臓、などのがんの有無を調べることができます。
一方、法定健診で調べられるのは主に生活習慣病の有無で、肺がんくらいしか見つけることができません。
オプションで不安な箇所を調べられる
人間ドックのメリットは、自分で受けたい項目が選べることです。
法定健診では国が検査項目を定めているので自由に選ぶことはできませんが、人間ドックは自費で受けるので好きなだけ検査項目を増やすことができます。
なので、例えばヘビースモーカーで肺がんの不安があるという人であれば、ヘリカルCTという検査機器で肺を詳しく調べてもらったりすれば、小さな初発の腫瘍の状態で発見できる可能性もあります。
腫瘍が大きくなる前に見つけて治療することができれば、治療の選択肢が増えます。
苦しい治療をしなくても、薬だけで完治できる可能性もあります。
自分で選ぶ難しさ
先ほど自分で検査項目を選べることがメリットと言いましたが、それが逆に利用者の負担になってしまうこともあります。
好きな検査を選べるということは、どの検査を受ければ良いかを自分で決めなければならないからです。
「もしかしたらこの病気も調べておいたほうが良いのでは」と考えていると、とんでもない検査費用がかかります。
確かにすべての検査を受ければ病気を早期発見できる可能性はありますが、1つの検査で10万円以上かかるものも含めると、そう簡単に検査項目を追加するわけにもいきません。
また、有効な治療方法がない大動脈瘤のような病気については、知らないほうがQOL(生活の質)を下げずに済んだということも少なくありません。
まずは自分の年齢と家族の病歴などから、リスクが高いと思われる部位の検査を優先的に受けてみると良いでしょう。