人間ドックの動脈硬化を調べる検査について
血管が弾力性を失って硬くなっていくのが、動脈硬化です。肌は年齢とともに劣化していくことが目に見えてわかりますが、血管でも同じことが起きていきます。
ここでは、動脈硬化の怖さ、人間ドックの動脈硬化を調べる検査について紹介します。
動脈硬化はなぜ怖い?
動脈硬化は、あらゆる病気の原因になります。日本人の死亡原因のトップを争うがん・心疾患・脳卒中のうち、動脈硬化と関わりが深いのが心疾患と脳卒中です。
動脈硬化で血液が流れにくくなると冠動脈に血液が供給されにくくなり、狭心症になります。心臓が栄養と酸素を受け取れなくなるため、胸に激しい痛みを感じる病気です。
命に関わる心筋梗塞や脳梗塞も、動脈硬化の影響で血栓ができやすくなり、その血栓が心臓や脳にとんで、そこからの血液供給を止めてしまうことが原因になります。
他にも命に直接関わらなくても、全身倦怠感や男性のEDなども動脈硬化が関わっていることが多いです。
動脈硬化を調べる検査には何がある?
人間ドックで動脈硬化を調べる検査には、血液や尿を採って調べるか、超音波で血管壁を観察する方法があります。
血液検査は、CRP(C反応性たんぱく)とインスリン抵抗性指数を調べます。
尿検査では微量アルブミンを調べます。
CPRは炎症の有無を調べられる検査です。
最近では動脈硬化は血管の炎症と言われているため、血液中のCPRという物質を調べます。
この値が一定値を超えていると、動脈硬化のリスクが高くなります。
インスリン抵抗性は、すい臓から分泌されるインスリン(血糖値を下げるためのホルモン)の効き方をチェックする検査です。
インスリンが大量に分泌されないと血糖値が下がらない人は動脈硬化のリスクが高いです。
微量アルブミンを調べると、血管の炎症の有無をチェックできます。
本来はアルブミンは体外に排出されませんが、腎臓の糸球体に炎症が起こるとアルブミンが尿中に漏れ出てきます。
微量のアルブミンが尿中に出てきた場合は血管の炎症が疑われます。
超音波で検査する方法もある
人間ドックでは、動脈硬化の進み具合を調べられる頚動脈超音波検査というのもあります。体の外側から超音波を当てて、血管壁の状態を観察する検査です。動脈硬化の進行状態を簡単に高精度で具体的に調べることができるのがメリットです。
外側から調べられるので、動脈硬化が気になる人は定期的に受けておいたほうがいいでしょう。特に40代以降は動脈硬化のリスクが高くなっていくのでお勧めです。