人間ドックをした方が良い人
人間ドックの技術が向上して、どこまでも精密に調べられるようになっています。しかし、受診者の予算には限りがありますし、人間ドックのためだけに時間とお金を費やしているわけにはいきません。
どんな人がどんな検査を受けるべきかを理解しておけば、無駄を省けます。
ここでは、人間ドックをしたほうが良い人とお勧めの検査項目について紹介します。
30代は生活習慣病をメインに検査
まず大雑把な基準として、30代になったら人間ドックを受けることがお勧めされることが多いです。「35歳を過ぎたら人間ドックを受けましょう」と勧めている医療機関もあります。
30代になると、20代に比べて生活習慣病のリスクが高くなります。糖尿病、高血圧、高脂血症、などです。
特に30代の人は糖尿病と消化器系の病気に注意が必要です。
糖尿病は基礎検診で空腹時血糖と血中脂質を調べればわかります。消化器系は胃がんや胃潰瘍の有無で、上部消化管(X線検査)を受けると調べることができます。
大量に飲酒をする人は、念のため肝臓検査も受けておいたほうがいいでしょう。
これには腹部超音波検査で、肝臓、胆嚢、すい臓を調べます。
40代はがんのリスクも検査
40代は、20代〜30代のつけが回ってくる年代です。今まで元気でなんともなかった人でも、急に心臓発作が出たり、進行したがんが見つかるということもあります。
40代にお勧めの検査は、リスクが高くなる糖尿病とがんの検査です。
糖尿病は、30代の時の基礎検診の内容を充実させてγ-GTPなどの肝機能値も調べておきましょう。がん検査は、腹部中心の超音波検査で、肝臓、胆嚢、すい臓を調べておけば、肝炎、肝臓がん、胆石、などをチェックすることができます。
上部消化管のX線検査に加えて便潜血検査を受けておけば、胃・食道・大腸を調べることができます。これで胃がんと大腸癌も調べることができます。
これ以降は脳や肺も詳しく
40代までは脳と心臓の人間ドックは必須ではありませんでしたが、50代以降になったら、日本人の三大疾病(がん・心疾患・脳卒中)のリスクが高くなるので、脳卒中や心筋梗塞の早期発見のために基礎検診をしっかり行いましょう。
血糖値、肝機能、血中脂質を調べておき、必要に応じて心電図検査や脳のMRIも撮影しておいたほうがいいです。
60代になるとがんの発症率がピークになるので、CT検査やMRIなどの精密検査を1年に1度は受けておくようにしましょう。