人間ドックを受けるのは義務なのか
人間ドックは、年に1回受けるように決められている法定健診と違い、受けるのは義務にはなっていません。
法定健診は職場や自治体などで従業員や住民に受けるように義務付けられていますが、人間ドックを受けるかどうかは個人の自由です。
ここでは、人間ドックの意義と、年齢別の病気リスクに対してのメリットを見ていきます。
人間ドックの検査はどんなことをするのか
人間ドックは国が定めた一般健診基準項目にプラスして、胃カメラ、腹部エコー、頭部MRI、腫瘍マーカーなど様々な検査内容があります。
検査項目は自由に選べて、半日で気軽に受けられる半日コース、日帰りできる1日コース、全身を隅々まで調べたい人のための1泊ドックなどがあります。
泊まる場所は人間ドックの実施機関か、近隣のホテルなどを借りて行います。
法定健診は義務化されていて、検査費用の一部もしくは全額が市町村や企業から負担されます。
しかし、人間ドックの検査費用は全額自己負担です(企業の場合は健康保険組合から補助金が出ることもあります)。
年齢別のリスクにも対応できる
法定健診の検査項目はずっと同じで、血液検査や身体検査、胸部X線、など基本的な内容しか調べることができません。
主に生活習慣病のリスクを取り除くことが目的で、がんの発見に対しての効果はあまり期待できません。
見つけられるのは肺がんくらいで、それもかなり進行しないと見つけることができないケースが多いです。
人間ドックは検査項目を自由に選べるので、自分の今の年齢でリスクの高いがんや疾患を個別に調べることができます。
家族が肺がんになった人や、自宅に喫煙者がいる人など、個々の家庭事情に対しても柔軟に対応できます。
義務ではないなら受けなくても良いか
「義務になっていないし、全額自己負担ならばあえて受けなくても良い」と思う人も多いかもしれません。
確かに、身銭を切って自分の身体を調べるというのはためらいがあります。
安い検査でも2〜5万円くらいはしますし、検査内容が精密になるにつれて費用も高くなっていくからです。
しかし、法定健診ではほとんどがんを見つけられる確率はありません。
進行してしまったがんを発見できたとしても、治療を開始するには遅すぎるというケースも少なくありません。
がんの早期発見のためにも、早期治療のためにも、できれば35歳を過ぎたら一度は検査を受けてみるようにしましょう。
最近では旅行がてら行ける検査も登場しています。