人間ドックの「カプセル内視鏡」でわかる病気
人間ドックと呼ばれる医療サービスはとても人気になってきています。
かつては病院に泊まり込みで行う敷居の高い医療サービスでしたが、近年では短時間で済ませることの出来る日帰り人間ドックの方が主流になってきています。
様々な病気を早期発見することを目的としているのがこの人間ドックですが、常に新しいサービスが登場し続けています。カプセル内視鏡と呼ばれる検査はその様な検査の一つです。
内視鏡検査について
人間ドックで内視鏡と言えば、一般的には上部消化管内視鏡、いわゆる胃カメラのことを意味する場合が多いです。前日から食事を抜いて胃の中を空にしておけば良いので比較的検査がしやすいのが特徴です。
近年では人間ドックの際に胃の検査を目的として内視鏡を選択する人も増えてきています。
一方宿泊を伴う人間ドックの場合は下部消化管内視鏡、いわゆる大腸カメラを行うこともあります。こちらは下剤を使用して体内をきれいにしなくてはなりませんので非常に準備が大変であるという特徴があります。
カプセル内視鏡の特徴について
通常の内視鏡検査コードの付いたカメラを体内に挿入することで体内を直接観察することが出来ます。しかしながら十二指腸よりも奥であったり、大腸よりも手前は非常に狭くなっているために通常の内視鏡では検査が出来ません。
そこで生まれたのがカプセル内視鏡と呼ばれる検査です。
この検査はカプセル状の撮影装置を飲み込んで検査をします。
撮影をしながら体内をめぐり、胃や大腸は勿論、その途中に関しても丁寧に画像を撮影してくれます。そのため小腸の病気などを早期発見するために非常に役立ちます。
小腸は非常に検査しにくい臓器であり、病気の発見も困難ですが、カプセル内視鏡であれば検査を行うことが出来るというのが特徴になっています。
カプセル内視鏡の課題
人間ドックにおいてカプセル内視鏡検査は一般的な選択肢にはなっていません。
その理由としては高額な検査料が挙げられます。
実際に使用するカプセル内視鏡自体も高価なものですが、撮影した無数の画像を読影する医師の人件費も相当なものになるのが一般的です。
通常の検査では早期発見が難しい小腸の病気を見つけることが出来る可能性がある一方で、非常に敷居が高い状況にあることが分かります。
この検査を行うことが出来る医療機関はまだまだ非常に少ないという状況にあり、自費での実施を行う場合には10万円程度の費用がかかるのが今後の課題であると言えます。